※2014/1 メモよりサルベージ
「メキシコ人類学・考古学の最新事情」に行ってまいりました。
以下内容を箇条書き
◇愛知県立大学の杉山三郎氏
メソアメリカの地域や文化のざっくりとした説明。各文明の配置やメソアメリカのピラミッドの特徴など。
◇メキシコ国立人類学歴史学研究所のセルジオ・ゴメス氏
羽毛の蛇神殿の発掘最新情報(トラロカン・プロジェクトのレポート)
・城壁内の排水溝と神殿意味付け
神殿の城壁と呼ばれる囲いの調査と神殿の風化・劣化の原因調査が初期の目的だったもよう。
城壁内は雨が降ると冠水し、大人のひざ丈まで水浸しになる。この水の湿気により神殿壁面の剥落が毎日のように起こる。
もともとは城壁内に排水溝があったはずだと調査がされる。→城壁内外に排水溝跡が見つかる。
排水溝から50体の地位の高い人物のイケニエが見つかる。何かの儀式でわざと排水溝を埋め戻していたと予想される。
ゴメス氏仮説
城壁内でわざと冠水させて”海”を作り、神殿を”聖なる山”に見立てて世界の始まりの光景を作りだして
儀式を行っていたのでは?
また、神殿本体の調査から260体のイケニエが見つかっていることから、(260はトナルポワリという暦の日数)
この神殿は”羽毛の蛇”に捧げられたのではなく”世界の始まり””暦の始まり”を表してるのではないか?
・2003年に見つかった神殿の西側の縦穴と地下通路
人工的な穴で15メートル程度の深さ。通路はテオティワカン人によって古い神殿の石材などで埋められていた。
穴を塞ぐ際に身に着けていた物を一緒に埋めたらしく、グアテマラ産のヒスイや黄鉄鉱、スレート、
磁鉄鉱などの装身具が多数見つかる。
通路の天上にはキラキラと光を反射する石が星空のように貼られていた。地下世界でもあり夜の世界としても表されている。
電磁波調査により、穴から神殿の中心部(東)に向かって120メートル程度通路が続いている事がわかる。
また、ロボットカメラ「トラロック」「トラロック2」により神殿中心部で三部屋に分かれている事が確認される。
通路を実際に掘り進めるにつれ、木製の仮面や石製のトラロック壷など貴重で重要なものが続々と見つかる。
2013年12月には神殿の中心部手前で緑石製の人形がその先の部屋を向いて立った状態で発見される。
このまま発掘を続ければ、テオティワカン人の社会構造や宗教世界を読み解く重要な発見があるかもしれない。
太陽の地下世界の旅や人類が生み出された洞窟を模した王墓である可能性も高い。
・その他
太陽や月のピラミッドのほうが大きいが、盛り土が主で材料もテオティワカン周りで取れる物できている。
羽毛の蛇神殿は材料も遠くから運ばれた物を使い、建築技術も高い。
まとまりがありませんが、こんな内容でした。
ナショジオとかMexicoloreとかで紹介された情報もあり、ホントに発掘したてホヤホヤの出土品の写真もあり、
大変楽しい講座でした。